H25.5.9


二人目のひとを送って

助手席におじいさんが一人残り

細く見通しの悪い道で

荒っぽい車とすれ違うたび

酷い言葉を叫び続けるそのひとが

今日は本当に嫌になって

やっとマンションの前にたどり着いた先に

まだこちらに気づいていない奥さんが

背中を駐車場の壁に

コンコンコンコンと

当て続けている

見たことのない悲しそうな顔で

こちらに気づいた瞬間

いつものやわらかな表情にスッと

その変わり方があまりにもあざやかで

胸がぎゅうっとなった